インタビュー
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なぜ産婦人科医師になったのですか?
医大生時代、いろいろな科で勉強をしました。その中でも外科治療と内科治療の両面から患者さまを診察・治療する産婦人科に魅力を感じ、産婦人科の医師になりました。実は父親も産婦人科の医師でしたが、この世界へ入るよう強制されたことは1度もありません。姉も産婦人科の医師ですし、不思議な縁を感じますね。
問診はこまやかに、説明はしっかりするとのことですが、なぜそこまでするのでしょうか?
問診でしっかり話を聞くことは、病気の情報を得るうえでは重要だと考えます。なぜならこれにより必要な検査が分かるからです。婦人科の問診では、プライベートなことをお伺いすることもありますが、情報の必要性とその理由をていねいにご説明することで、と納得して治療を受けていただけるよう努めています。
問診のあとは、必要な診察・検査を受けていただきますが、その際も検査を受ける理由やその内容について、納得されるまでご説明します。というのも理解せずに治療をすると途中で中止してしまう方もいらっしゃるからです。症状を少しでも改善できるよう努めていますので、不明点がありましたらご質問ください。
患者さまに対して気をつけていることはありますか?
当然のことではありますが、患者さまの大切な体を診察させていただくのですから、清潔感と身だしなみには気をつけています。また患者さまが気を使うことなくリラックスしてお話しいただけるよう、同じ目線に立って自然な会話を心がけていますね。どんなことでも気軽にご相談いただければ幸いです。
なぜ予約制にしていないのでしょうか?
患者さまは、生理不順、更年期障害、ホルモンバランスの乱れといったさまざまな状態でご来院されます。例えば、患者さまによっては次の生理が来た後に診察したい場合があります。しかし、生理不順の方だと診察日をはっきり決めることはできません。そのような場合に「生理の何日後くらいにまた来てください」とお伝えして、ご都合にあわせて来院いただけるように予約なしとしています。また、手術は対応できる日程や時間帯が決まっているため、1度受診いただいた後、日時を決めて来院いただくようにしています。
助産師になったきっかけは?
専門性を身に着けたかったからです。大学病院に勤務していた時代は看護師で、医師をサポートしたり、患者さまを看護したり、医療に幅広く携わっていたものの専門性がないことに悩んでいました。個人的な考えになってしまいますが、赤ちゃんには教えられることが多く、レベルが高いと思っていまして、お世話していると考えたことはありません。そんな尊い赤ちゃんと向き合える=専門性と考えたときに、助産師しかないと思ったんです。
ベビーマッサージはグループで行う医院が多いですが、どうして1対1でやっているのですか?
最初はグループレッスンでしたが、次第に参加された方からの個別相談が多くなってきました。グループだと周りに人がいて話しにくいということもあるため、1対1の個別にしました。ご相談を受ける中で気づいたのは、お子さまのケアだけでなく、お母さん自身がお産を含めたこれまでの気持ちを振り返る必要がある、ということです。振り返ることが「マイナス思考をプラス思考に変えていく」時間にもなるため、個別のレッスンとさせていただいています。
どんな悩みを持たれている方が多いですか?
赤ちゃんが母乳をうまく吸えない、母乳が出てない、卒乳のタイミング・方法、乳腺炎などでお悩みの方が多いですね。乳腺炎の場合は、医師が問診や触診などを行い、どうしても必要な場合のみ、漢方薬や抗菌薬 といったお薬を処方します。お薬は、母乳への影響が少ない(赤ちゃんが摂取しても問題のない)ものにしています。
母乳マッサージによる負担を軽くするポイントは何でしょうか?
乳房のメカニズムをしっかりと理解したうえで施術しています。乳房ケアにはさまざまなスタイルがありますが、乳房の構造を解剖学的な視点で捉えることが重要です。また、マッサージする際に、痛い思いをさせない、辛いお思いをさせないといった「医療倫理」を考えながら行うようにもしています。忘れがちなことですが、これは非常に大切なことだと思っています。
婦人科では珍しい移動導線をオープンにしている理由は?
多くの場合、病院は診察する場所がすべて区切られていますね。すると、患者さまとかかわりのないスタッフや他の方と目を合わせることもなければ、何をしているのかも分かりません。しかし、患者さまのなかには周りの状況が分からないと不安になる方もいらっしゃいます。そう考えた時に、医師だけではなく、スタッフ、自分以外の患者さまはどうしているのか、実際に見えたほうがいいのでは…という考えに至ったからです。
とはいえ当たり前ではありますが、他の患者さまに診察内容や会話は分からないよう配慮しています。
また患者さまが過ごす待合室は居心地のよい空間にしたかったので、天井に窓を設け明るく開放的な雰囲気にしました。
お互いの診療などについて
(助産師 → 院長)
院長は、患者さまが納得して十分に理解してもらえるまで、真摯に向き合い説明をしています。それは、患者さまの症状を少しでも改善したいからだと考えます。というのも、実は院長は基本的に話好きではなく、面倒くさがりであることを知っているからです。
(院長 → 助産師)
通常、私は1階で診察、妻である助産師は2階でマッサージや育児相談などを行っています。離れた場所なのに緊急が入るとパッと1階の診察室に来て、私の診療をサポートしてくれることがあります。手際が良くて、仕事が早いといつも感心しています。